株式会社ビースタイル 新規事業部長 三山晋大朗さん

「巨大な競合に勝てない時の戦い方」

みなさん、こんにちは。今日は暑いですね。ここに入る場所がわからなくて30分くらいうろうろしていました。
今日はですね。さきほどお話しいただいた都築さんと僕は元々リクルートで一緒にお仕事していたこともあってお話しさせていただきます。

簡単に自己紹介させていただくと、株式会社ビースタイルという会社、主婦向けの人材企業ですね、そちらで新規事業部長をさせていただいています。元々リクルートに新卒で入社しまして、全社の横断インターネットマーケティングメディア、リクルート単体ではなくて、グループ会社含めすべてのインターネットマーケットを統括している部署で、SEO、検索エンジンの集客の担当をしておりました。

そこでリクルートグループと言ってもかなりのサービス量があります。大体153サイトくらい、それを当時一人で担当していました。今はそんな働き方はできないですが、週の半分くらいは会社に泊まるという生活をしていました。

そのあと、集客でSEOをやらせていたただきました。次に、じゃらんの英語サイト、インバウンドですね。日本に来て、外国人方が泊まるサイトを立ち上げようということで、この新規事業の作成に参画いたしました。ただ、サービスリリースが2011年4月でして、その一か月前に東日本大震災が起きて、みんな旅行どころではなくなりました。日本にいる外国人も帰ってしまうというところからのスタートで、結構、新規事業は、慣れなのですけど、割と計画通りいかないことが多々発生して、その中でもやってきたという感じですね。

そのあと、転職をしてリブセンスという会社に移りました。求人サイトのグロス管理、UI改善とか、また違う所の立ち上げなんかをしました。先月、ビースタイルに新規事業部長として移り、現在、家事代行サービスを立ち上げようとしています。

今まで手掛けてきたサービスはこんなところです。
多分、リクルートのサービスは結構知っていらっしゃるものも多いのではないかと思います。今やってるのは資料の一番下の家事代行、ちょっとサービス名が長くて覚えづらいのですが、これをやっています。

今までたくさんのサービスを手掛けさせていただいてきました。
規模としては、ど新規で、月の売り上げが数万円というところから、国内最大手で数百億円くらいまで、いろんな動かし方や集客の仕方とかを見ることができたのかなと思います。

これは、ひょっとしてご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、リクルートがよく使うリボン図モデルというものですね。基本的にはカスタマーが一般消費者で右側のクライアントが企業様。カスタマーを集めることとクライアントを集める、この両輪がないと成り立たないと。ただ集めただけではうまくマッチングしないので、それをどう伸ばすかという工夫をして、その結果マッチングが発生するとそこに価値が生まれるモデルになっています。

カスタマーを集めるやり方については、無料で連れてくるものとお金をかけて広告で獲って来るというものがあります。いろんなSEOであったり、PRをかけたり、メルマガとかでCRMを回したりということもありますし、リスティング、ディスプレイアフィリ、CMとかも結構お金をかけるパターンですね。手法としてはいろいろあります。

基本的にはこの左側のお客様をつれてきて、それをサイトの上で動いてもらうかということをやっています。
今回は新規事業のお話ということなのですが、実際事業として成り立った後は、こういう風にリボン図が生まれて、それぞれすべての秘策を頑張っていきましょうねというのは成り立つのですが、最初立ち上げる時はこんなにうまくいきません。

何が違うかというと、まず、立ち上げたばかりでお金がないので、当然有料集客はできませんと。基本はSEOだったり、PRだったり、もしくは数少ないお客さんにいかにメールを送って動いてもらうかという無料集客が中心となってきます。無料集客でうまくクライアントとマッチングするとしても、結構最近ですとABテストとかをやってUI改善をしていこうということが多いと思うのですが、UI改善とかABテストをするほどの母数がなかったりするんですね。特に立ち上げのサービスですと、一日3件4件とか、そういうコンバージョンの大きさだと、ABテストは結果が出るまで3ヶ月かかりますというスピード感になってしまうので、それを待ってゆっくりやっていると事業がつぶれちゃうよねという話になります。

それなので、その手前として、まずは1個1個事例をどう作っていくか、データとしてどちらが正しいというものはなかなか科学的には出せないので、自分の中でお客さんとふれ合う場合、どれが当たりがありそうかというのを徹底的に判断していくのがとても大切になってきます。

世の中でしているマーケティングは、もう事業ができあがっている話が多いと思います。今日はじゃあ、それが出来上がる前、どうやって最初の新規事業を立ち上げて動いていけるかかということを見ていきたいと思います。

今日はこれだけ覚えていただければいいと思います。

山の登り方を考えましょうということですね。新しく事業をやりたいんだという方のお話をお聞きすると、サービスが出来上がった後のことの話をする人が多いんですね。ただ、それって、もう山の上の結構上のほう、頂上に近いところですべてのリソースとか、仕組みが整った後はこういう世の中なんだよね。それは自分のサービスは新規性があったり、優位性があるという話をされる方が多いです。

当然ながら一気に頂上まではいけないですよね。みんな一合目からスタートします。これが超大手なら、ある程度資本力とか優秀なチームメンバー集めて、途中の五合目位からスタートというのができますが、そうでないほとんどの企業にとっては一合目から一歩ずつ進むと。細かい話をすれば契約書の書き方とか、請求書のフォーマット作るところからスタートする。問い合わせが来てQ&Aのラインナップができていないので、都度フォーマットを調整するとか。そういうのを実際お客さんとかクライアントに対して与える価値以外の部分も含め、効率的じゃない部分もやっていかなくてはならないというのが結構大きいです。

では、その時サービスとしてはどうかというと、ほとんどの場合は他社に対して劣後している、一応形としては成り立っているがまだまだ粗さが目立っているというのが多いのではないかなと思います。

では、その一合目の時にそんな未完成なサービスなのに何で消費者は自分のところを選んでくれたのか。
多分よっぽどの全く新しい産業ということでなければ他社さんもいると思うんですよね。そっちのほうがサービスレベルの高い可能性が大きいと。そんな時になんでわざわざ他社ゃなくて、うちを選んでくれたのか。そういう風に話すと、いいえ、うちにはこういう競合優位性があるんですよという話をする方もいます。でも、それって本当に一合目、最初の一歩からワークするんだと。ある程度規模が成り立った後でないと優位性が出てこないんじゃないかみたいなのは、ちょっと自分で事業をされる方は是非心の中で問いかけていただきたいと思います。

ほとんどの場合、スペックでは他社に勝てないので、そういう勝てない時どうするのかというところが、次の写真です。これですね。 見ての通り飲み会の写真なんですけど。
例えば、皆さんの小学校とか中学校の友達で何かお店をされてる方とかいます?もしくは自分の友達が地元で知り合いが居酒屋をやっているとか。そういう時ってじゃあ地元帰ったらそいつの店に行くかって結構ありえる話だと思うんですね。中学とか高校とか小学校とかの仲間が集まって、その店でワイワイ飲んでたりとか。これってあんまり値段の安さとか、美味しさとかが問題になるケースって少ないと思うんです。まあ味はそこそこめちゃくちゃうまいわけでもないし、すごい安いわけでもないけれどなんとなく集まるみたいな。

それは、先ほど言ったスペックでは他社に負けているけれども、でも仕事が集まるということなんですね。

何があるかって言うと、元々友達だからとか、心理的な部分でみんなが集まって心地いい空間が作られると。じゃあ、同じようなことが飲食店だけでなく、実際いろんな企業のビジネスで活用できたらこれは何かしら選ばれる理由が作れるんじゃないかというヒントがあります。

サービスには3種類の価値があると思っています。

1つ目は、・・・・・次回に続く