今日お話しするのはまさにこれです。
生き残るためのコツというか、これがないと生き残らないなということ。あとは、見立てと仕立てというものがあって、それをどう考えてやっていくかということ。
そして、今日、皆さんが聞きたい事例。特に、リクルートでやってきたことですよね。
まず、私の背景を軽くお話して本編にまいりたいと思います。
私は、2000年初頭のインターネット過渡期の時期のリクルートで、10年近く在籍をしておりましたが、2,3年ごとに事業部異動があって、上司も半年以上お付き合いできた方は、数えるほどしかおりません。組織そのものが、軟体動物とかアメーバの細胞分裂のようにとにかくころころ変わりました。ということで、いやおうなしに、いろんな事業にかかわらせていただきました。
今ですと、インターネットのサービスだからそりゃピボットもリニュアルも頻繁にするよねとか言えるのですが、その当時は、そういうバックグラウンドが世の中的にも確立されてないので、なんでこんなに上司が変わって評価がされにくいんだろうとか、なんでこのサービスは3年で閉じるんだとかリニュアルばかりするんだとか思ったり(要は、価値設定にもがいている事業でした)、同じ事業部で同じ仕事を続けている方が、やっぱり昇進もしやすく、とてもうらやましくも思った時期もありました。
気付くと、晩年は、IT系高度専門人材とかなんとか、人事の方にラベリングされていました。当時は、前述のとおり、なんでこんなに荒波の事業ばかりに出くわすんだ!と運命を呪っていました((笑))ので、いつの間にか会社の必要とするIT人材に変わっていたようだったのには、驚きました。時代が変わりました。
既存事業である住宅、旅行、人材、ホールディングスなど経験させていただき、そして、未踏の地であって全くの企業カラーの異なる買収先企業に行って(出向して)、新しいサービスを立ち上げて来いという仕事をいただいて、向こうの企業の方々とまじわりながら、サービスを立ち上げてきたりとか。その中には、ビジネスモデルや、ビジネスプロセスもだいぶ変わるものもありましたし、特に、紙情報誌とインターネット情報サイトへのシフトということで、現場の“考え方”やものの見方からしての、大転換も、とても大きかったと思います。現場は、もう、議論や喧嘩も多かったです(笑)。これは、お世辞でもなく、いい意味での喧嘩です。
その経験をしてきたことが、みなさんの、今の、そしてこれからのお仕事のお役に立てればいいなと思って、今日は、頑張ってお話させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
本編にはいります。
(資料本編をご覧ください)よくある話です。これは、いきなりですが、すごく大事です。前提になるので、まず、お話をさせてください。
ビジネスモデルって、特にMBAみたいなところに行くと過去事例(ケース)をさんざん勉強して、モデルや人・モノ・金といわれる経営資源管理の勉強します。昔は、「効率×拡大」のビジネスモデルが有意義であったけれど、それだけだと、何かうまくいかないなということが、現在、多いです。時代は変わったんですよね。
先ほどウェルカムトークで自己紹介をさせていただいた中で、弊社ゆめかなうには多様なお客様はおりまして、ベンチャー企業さんとか、2,3億ほどの売り上げの中小企業、それから、東証一部上場企業、また、大学もありますが、今日は、とにかく、今、共通して言えることをお伝えしたいと思います。
それは、「モデルより大事なことがあります」ということです。何だと思いますか?
(会場、シンキングタイム)
私は、この答えを、「スタイル」と言っています。モデルより上位にあるものはスタイルなんです。
スタイルは何ぞや?何だと思いますか?やわらかい言い方をするとこうです。「あなたらしさ」というものなんですよね。一言で言うと個性。その会社らしさ。個人オーナーらしさ。
今日皆さんが興味を持たれているリクルート社が、これだけ勝ってきたのは、モデルが良くて勝ちパターンを横展開してきたことではあるのですが、それだけではなくて、「らしさ」にこだわるという側面も非常に強い文化があると、実際の現場で多く感じました。「俺たちがやることって、なんだっけ?」→「価値定義」につながってきます。
やはり「どういう世界観を達成できるんだろうか、僕たちのこの力で、僕たちのこの持ち味で」ということを、すごく日ごろからマーケティングとか、プロデューサーという人が夜中でもすごく一生懸命やります。もちろん営業の方もそうです。
今はそういう働き方は、できませんが。ブラックっていわれちゃいますものね(笑)。本当に一生懸命やって、エレベーターで会った時でもそういう情報交換を3分ぐらいでやったりとか、「最近どう?」っていう会話から、聞いてもないのに、勝手に自分の温めている企画を話し始めるとか(笑)、そういう「青臭い」文化でした。介在することで、社会にどのような価値を返せるかということを、「圧倒的な当事者意識」をもって、やることが、よく皆さんが口にされるリクルート社の「らしさ」であるということだと思います。
今日は、そこを真似しろというお話ではありませんが、自分らしさだとか、自分たちがやるべきものは何だろうということを、まずは、認識の土台作りで、周囲と、とことん話し合うことは、大事だと思います。モデルありきからの話よりもですね。
そして、「ゴール」というのは結構様々なんですよね。ビジネスのゴール。人生のゴール。
企業とか、もしくは今起業する人は、自分の事業でやることは、一体何だっけということを真剣に考えてもらいたいなと思います。
ということで、まず前提というお話を、まとめますと、「モデル」というのは「スタイル」の下とか、包括されるひとつのパーツですね。らしさとか、持ち味というものを、よくよくおさえてみましょうということです。これが醸せてきますと、事業提供者としての「使命感」→「情熱(熱さ)」も、おのずと生まれるんじゃないかなと思います。
・・・・次に続きます。