2つ目、ここからは簡単ですよ。でも、実践すると難しいことも多いですけれどもね(笑)。

「値決めは経営」とあの京セラの稲盛さんは言われましたよね。お金や顧客を入れていく方法、つまりプロダクトをつくるということですね。これは、新規事業をやられる、特に起業されているほうの方かな、非常に多い質問です。もし、起業される方がいたらちょっと聞いてほしいです。

先ほどの自分の価値をまず定義すること、価値ができていない人はちょっとそこからなのですが。

幾らで誰に売ったらいいのって、商品設計が案外ぼやっとしている人が多いですね。結局、経営がうまくいくかいかないかは、稲盛さんも言うように値決めなんですね。あんまり安くて、市場をブレイクしたいから価格を崩壊させて入るというより、やはりそれなりの価値をしっかりアピールしながら入っていくというのが絶対にいいですよね。

そういうことでやはり商品をつくること。しかも、一回では完成しないので、5,6回は改良しながらという作業になります。そして、値を決めて、お金を入れていく方法をしっかり固めていくというのが2番です。

これもマーケティングセオリーの一つですよね。売り上げをあげることも重要なのですが、価値をあげること、価値を評価していただくことに、力を注いでいただければと思います。実際に私も、周りの創業社長さんもこの辺りは、身をもって経験しているところです。安くてでも我慢して案件を取ろうとしちゃうんですが、はじめはいいとしても、価値を適正に買っていただけるように、早めにしていきましょう。

 

3つ目、導線とか、構えです。ここで初めて「モデル」の話です。

ECで通販をやっていきたい。ECだけじゃなくて、メディアを作って集客をするようなそういうフロントを作りたい。いやいや、ポータル型かなとか。そういう勝負する形です。その中に商品、サービスを入れて行ったりします。「箱」ですよね。

あとは集客。どういうふうに客と接点を持つか。この箱の中に客を入れて行くかという筋道、これが3番です。リクルートさんで例えるなら、マッチングの「リボン図」というものですね。

 

もうここまで申し上げて今日終わりかなという気がします(笑)。

 

そして、いままでお話をきいてくださってお気づきかと思いますが、仕立てのこの3番ぐらいから一生懸命考えてしまう人が多いかもしれないです。

見立て、それから仕立て。まずは、自分がなぜやるのかというところをしっかり踏まえた上でここまで作っていただきたいなと思っています。

本当にお客さんと一緒に私も自分の人生や命という時間をご提供しながら事業を育てていますので、ぜひ共感してもらえたらなと思って今お話ししています。

 

 

さて、ここまではサービスの「組み立て方」を説明しました。

まずスタイルだよ、見立てはこうだよ、仕立てはこうだよとやっています。

 

さらにワンモアプラスで皆様にギフトとして余談をお話させていただきたいと思います。

マネジメントについて。組織のつくりかたについてです。

 

これはリクルートが現場が強いと言われるところにも関係すると思います。マネージャーの人、今から何かビジネスをやる時にメンバーを集って動かしていくという立場のリーダーになる人に、これからお話するところは、聞いていいただきたいです。

のっけからですが、いわゆる「マネージメント」をしてはだめですね(笑)。管理ではないです。私も、はじめのチームリーダーになったときは、大失敗しました。では、どうやるかということなんです。

特にデジタルとかWebの人ってすごくラフですよね。ラフでいろんなクリエイティブなことを考えて、わーっと話をして、じゃあWebをすぐ更新しますみたいなね。どんどんPDCA回して改善、改善みたいなそういう仕事になってきます。この人たちに対する仕事に対する意識づけの話です。どういうスタイルで仕事をしたらいいですか?です。

 

技術の進化についていくのに疲れたような顔をして「働くって何ですか」と聞いてくる20代もいます。これはどういうことかというと、自分の仕事の意義について迷っている、もうすこし言えば、人生に迷っているので仕事場での時間の費やし方がわからないという事だと思います。

そんな場合は、こう言ってあげてください。

「君の仕事はね(私の仕事はね)、顧客が言葉に出さないんだけれども、キーワードとかで検索を打ち込めないんだけれども、無意識にこうなったらいいなとか、こうありたいというのを超能力者のように汲んであげて、それを形にしていく、そういう仕事なんですよ」。そして、「君は選ばれた人なんだ。マーケットをつくる動かす使命がある人間に選ばれたんだ」と言ってあげてください。使命なんだって。そうしたら、少なからず、「そうか、選ばれたんだ」みたいなおっかなびっくりの顔をされます。

「今の君の経験やスキルがどうのこうのではなく、選ばれた君の可能性を信じている」と。そう、「信じている」ということです。

 

私は結構いろいろこのあたり実験をしています。自分も、優等生でないので、モチベーションのコントロールが難しいときもありました。それで、いろいろ考えたり試してみたりしたんですけど、「君のキャリアの流れと、この事業の成長はシンクロしている。君はこれを生み育てていく役目があるんだ、それは神に選ばれたみたいな感じ、つまり使命なんだよね」で、結構30分ぐらい面談で一生懸命すり合わせると、みんな、明るい顔で、席に座って頑張ってくれるんですよ。

個人のキャリア(ゴール)をとにかく聞いて、一緒になって時には考え、そのあとに、こちらも本音で業務のミッションやビジョンとすり合わせていく努力をします。形式ばらずに、その個人のゴールと事業のゴールをしっかり密着させていくような話し合い面談や普段からの取り組みをします。これは、マネジメントではないです。共通項をすり合わせていく人間関係構築のイメージです。

そして、やりたいことがあってもこちらで提供デキないなどがあれば、先に謝ります(笑)。自分も、事業も完全じゃないっていうことを、正直にはなしておきます。ただ、せっかくご縁があって一緒に過ごしているわけだから、大いに、やりあおうではないか。共通項を大事にして、というヒューマニズム的なスタンスですね。

 

これを、結構、買収先の会社でも実施してみたのですが、わりかしキャリア面談の後、すごくみんな頑張ってくれて、結果に自然とコミットできる良いチームになりました。

当時、7人ぐらいでサイトの企画運営やSEOをすごくゴリゴリとやっていたのですが、検索順位100位圏外の本当にどうしようもないなというホームページが、2、3年がかりで、サービスとして成長し、ランク1位になりました。クローラーの性能が良い現在は、おそらく、1年内で登れる山だと思います。

 

ちなみに、デジタルマーケティングといえば、男性主体のチームが多いと思いますが、そこは、社員・派遣などの女性が9割がたを締めるチームでした。当時、周囲の島のマネージャーや、上司などに、「アマゾネス軍団(マーケティングでの顧客集客力が強い女子チーム)」とか、冗談で言われていました(笑)。

 

見立て、仕立てをやりながら、これから事業を作っていくかたには、一人じゃとてもやりきれない大仕事であるので、しっかり周囲をモチベートをし合うような関係性も、同時に創っていただきたいと思います。

 

さて、ここからは、具体的事例も踏まえてお話します。リクルートのリボン図の話です。よくあるリボン図です。

・・・・・次に続く